【東洋学園大学 現代経営学部 准教授 櫻田淳】
国際間で国家が発揮する影響力は、ハードパワーとソフトパワーに分類される。軍隊や経済力、資源など、文字通り“力”で優位に立とうとするのがハードパワー。対してソフトパワーは情報や文化を武器に、相手国から尊敬の念や賛同を引き出して関係を築く。
日本が世界の中で冠たる地位を確保できたのは、ソフトパワーで勝負してきたからである。トヨタやソニーなどのメーカーが海外進出したことで、「日本人はいいものを作る」という良い印象が浸透していったが、日本の農産物、そして日本農業それ自体もソフトパワーとして活用すべきものである。