<韓国>GAP農場急拡大、激化する国際競争が背景
韓国でGAPが急速に普及している。韓国政府ではGAP認証取得した農産物の比率を、2013年までに全体の10%までに引き上げる計画を立てている。輸出向けから普及が始まったGAP認証農産物は、国内市場にも広がっている。その背景と現状を現地の最新情報をもとにレポートする。
最初に普及したのは2003年からで、漢方薬の原料を栽培する農場で導入が始まった。WTO(世界保険機構)で薬用植物に関するガイドラインが同年に定められ、漢方薬の輸出入に関し、GAPの認証取得を基準のひとつにすることが話し合われたことがきっかけとなった。
04年からは輸出向けの農産物を作る農場でGAPがスタート。同年に韓国とのFTAを発効したチリがすでにGAPを確立していたことも大きく影響した。政府機関である農産物品質管理院は1.9億ウォン(1ウォン=約0.12円)の予算を投入し、輸出用のパプリカ、シシトウ、キュウリなどの栽培農家約350戸にGAP導入を働きかけた。
こうした動きにより韓国全体にGAPが広まり、03年にわずか9農場だった認証取得農場が、05年には965農場、06年は約3500農場と急速に増えている。
農林部もGAPに力を入れており、06年には68億ウォンを投入し、審査員の養成や施設を整備するための費用に使われた。
(以下つづく)
世界70カ国の約5万農場が認証を取得するまで成長したユーレップGAP。農場管理における事実上の世界スタンダードになっている。我が国では日本版GAP(JGAP)の普及が始まったばかり。本誌では、農場の経営管理手法そして国際競争に生き残るための規範として、GAPに注目。世界の動き、日本での進展を毎月報告する。レポートはジャーナリストの青山浩子氏。 -
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