本誌は創刊以来、府県での大規模畑作経営の可能性の大きさを呼びかけてきた。特に本誌14号(1995年12月号)の特集では、「伸びるぞ!府県の畑作野菜経営」と題する記事のもと、その経営戦略を紹介した。
それから10年。2005年センサスデータによれば、耕作放棄地は約38万5000ha(全耕地の9.7%)に達している。同時により条件の良い田や畑についても、経営能力のある農業経営者に提供せざるを得ない状況になっている。一方で多様な需要企業が産地と提携し商品開発を進めている。
本誌が提起する戦略は基本的に10年前の特集と変わらない。制度や政策への依存ではなく、農業経営者自身が「目線の揃う異業種」や地域を越えたネットワークを自ら構築していくことの中から生まれる、農業経営をこの特集で改めて提案する。