セミクローラトラクタの普及が勢いを増している。14馬力から125馬力までバラエティが広がり、開発当初の湿田での作業・走行性能を満たす段階から、セミクローラとしての特性を生かした第2、第3世代への改良が進んでいる。
最高時速33km以上という高速走行が可能な大型畑作タイプや、トレッドの変更ができる畑作管理用タイプなどがそれだ。これにより、これまでフルクローラや外車の独壇場であった作業分野にまで進出を果たしている。
大幅にけん引力や登坂性能が向上することから、セミクローラトラクタに対してひとクラス上の性能をすべてにおいて求めることがあるかもしれないが、ロアリンクの揚力や3Pの強度はベースマシンとなっているホイールタイプと大差がなく、ひとつの課題となっている。
しかし、今後、大規模経営が進みトラクタがより専用機化していけば、軽量・低踏圧性などの特性を生かし活躍の場を広げていくだろう。