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編集長コラム

本誌読者に食産業界の目が集まってきた | 農業経営者 4月号 |  (2001/04/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
株式会社農業技術通信社(月刊『農業経営者』)ではこのほど株式会社インフォマートと業務提携契約を結び、本年6月より本格稼動します。詳しくは、今月号送付の本誌に同封したチラシをご覧下さい。

インフォマートは1700社(2001年2月末現在)の買い手側会員が参加する業者間インターネットサイトとしては国内最大の食材流通市場です。本来、売り手がインフォマートの会員になるには、法人であることが条件であり、年間30万円の会費が必要です。しかし、当社がインフォマートに対する窓口となり、さらに『農業経営者』読者で本誌が推薦する農業経営者に限って法人・個人を問わず一品目あたり2万円の年会費で出品が可能になります。また本誌経由での出店の場合、本誌または本誌が指定する推薦人による「推薦付き」でサイト上に紹介されるため、買い手側の信頼や評価が得やすいというメリットもあります。さらに、現在インターネットに接続されていない方でも、FAXをお持ちの方なら当社のFAX情報システムを使って参加が可能です(品目数に関係無く年間1万円の手数料が別途必要です)。そして、代金決済はインフォマートが代行します(参加条件)ので新規取引先あるいはインターネット上での見ず知らずの取引先でも集金の不安が無く手間もかかりません。同時に、独自の物流をお持ちでない方に関してもインフォマートと提携する佐川急便の各種物流システムがご利用いただけます。
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Posted by 編集部 | 08:30 | この記事のURL | コメント(409) | トラックバック(0)
編集長コラム

それでも“シャチョー”と呼ばれたいか? | 農業経営者 3月号 |  (2001/03/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
日本人が貧しくとも好景気や未来への予感に浮かれることのできた昭和30~40年代。東宝「森繁社長シリーズ」の三木のり平や「無責任シリーズ」でサラリーマン植木等が連発した“シャチョー”。あるいは一昔前、場末の盛り場でキャバレーのアンちゃんが酔客の呼びこみに使うセリフも“シャチョー”だった。のり平や植木がヘツライの情を込めて使った「社長」では最初の母音にアクセントが付いていた。一方、呼びこみのアンちゃんの場合には“ねェー、シャチョー、シャチョー”と二度呼びにするのが常だった。その言葉の中には、安サラリーマンがおこぼれに預る好運を期待しつつも裏では舌を出して見せる大衆の健康な笑いがあった。でも、そこには苦労の中で成功を勝ち得た者に対する尊敬のニュアンスも込められていた。であればこそ、人を乗せて落すセリフとして有効だったのだ。しかし、今やサラリーマンにとって花見酒など夢のまた夢、せいぜい安飲み屋か屋台でクダ巻くボヤキ酒、客引きの方が身につまされてしまうご時世。キャバレーが姿を消し、当時のアンちゃんたちも若者向けのキャバクラやクラブ(語尾上がる)の黒服に職場を追われてしまった。ついでに言えば、松竹「寅さんシリーズ」で寅が呼んだ「たこシャチョー」は無責任なフーテンだから言えたストレートなカラカイだった。さくらの亭主が語る民主商工会風の真面目さがチョット鼻についたけど、そこにはいつも資金繰りに苦労している零細自営業者の一所懸命さに対する愛情が込められていた。さらに、バブルの時代になると宮尾すすむが“シャチョー”という言葉に身振りを加えてヘツライ表現のバラエティーを使い分けしていたのを若い人でも覚えているだろう。しかし、その頃になると人々の羨望と妬みを消費するメディアとしてのTVや女性週刊誌がうさんくさい“青年実業家”たちを登場させ、バブル崩壊後のTVに映し出される無責任な大企業経営者たちの醜態を見せられることで、人々は「社長」「経営者」という言葉にイカガワシサや軽蔑のようなものを感じ始めるようになった。それはかつての左翼が憎しみを込めて使ったニュアンスとも違っていた。
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Posted by 編集部 | 08:30 | この記事のURL | コメント(257) | トラックバック(0)
編集長コラム

「現在」という「過去の結果」から自由になる | 農業経営者 2月号 |  (2001/02/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
上野駅に訛りを聞きに行った石川啄木でなくとも、誰でも訛りが懐かしい。標準語を使う人でも自らが所属する集団や組織、あるいは固有な文化(言葉や行動パターン)を共有している人々の間にいることでホッとした気分に浸れる。

方言だけでなく、広島弁を使うチンピラヤクザから今時のコギャル言葉、業界固有の言葉遣いも同じだ。言葉遣いや訛りは、単に摺り込まれた習慣というだけでなく、人々が自分の居場所や背負った文化を確認する記号なのである。職業や地域、あるいは様々な世代その他の集団を構成する者たちが固有な言葉遣いや行動パターンをとるのは、それによって彼らが精神の安定を保つことができ、集団への帰属意識が自信を与えるためである。人は集団から疎外されることを恐れ、同時に準拠する文化が無くなることへの不安を持っている。新しい価値基準が明瞭ではない時代には、他者から見れば矛盾が明らかであっても人は帰属する組織や集団の論理や行動様式あるいは思考の「枠組み」に固執する。そして批判者を排除しようとする。崩壊期にあったソビエト社会やつい先ごろまでの農業界に限らぬ現代の日本の状況とはまさにそういうものではないだろうか。
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Posted by 編集部 | 08:30 | この記事のURL | コメント(55) | トラックバック(0)