【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -
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1999年1月。2001年まであと2年の刻限を残すのみとなった。
2001年にはミニマム・アクセスという執行猶予の期間が終わり、日本の米生産者も関税化という世界標準の中で生きていく時代が始まる。
これから2年間、その交渉の推移に多くの農家や農業関係者たちは一喜一憂することになるだろう。しかし、我々は国益を守るための外交交渉に注目し、それへの対策を考えるだけでよいのだろうか。
そろそろ、自由化による農家経営の圧迫という言い慣らされた問題認識そのものから脱するべき時なのである。日本の農業が、自らの経営が、顧客に選ばれるに足るものであるか否かが問われるべきなのである。誤解の無いよう断るが、経営規模や売上の大小を言っているのではなく、農業とその顧客との関係を問題にしているのだ。