【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -
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東北地方の野菜産地の20代の青年と話していた。彼は嘆いた。
「個人出荷に走る人も共選で品質を上げることに熱心でない人も、自分のことしか考えていない」
自分の農協の集荷管理体制では能力のある農家から組合を離れていってしまう。それが産地としての評価を下げることにつながっているのだけど、農協はその対策が打てないまま手をこまねいている。そして組合員のほとんどは今までと違うことをすることに消極的だという。
彼は、いかにも誠実さを感じさせる青年だった。その人柄も含めて農協や行政の期待を背負わされているような人だ。