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救世主となった「菌根」 | 農業経営者 7月号 |  (1993/07/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
兵庫県赤穂市の錦鯉養殖業者、(有)有田農産を訪ねた。同社は、長兄の有田憲二氏(56歳)を社長に育弐氏、和永氏、暎氏の四人の兄弟で経営されている。応接間の壁一面の表彰状が有田さんの業界での名声を示す。

そこを訪ねたのは、数種の嫌気性細菌を主体にしたゼリー状の菌の塊を池に投入することだけで、長い間苦労してきた養殖経営の根本的矛盾を解決したと伝え聞いていたからである。

養殖での「連作障害」が解決できたというのだ。障害は3年ないし5年目くらいから出始め、10年もすれば文字通り深刻な状態に陥る。水が腐り、赤潮が発生し、池の底からはガスがわくようになる。
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Posted by 編集部 | 08:30 | この記事のURL | コメント(385) | トラックバック(0)
編集長コラム

江刺しの稲を育てるために | 農業経営者 5月号 |  (1993/05/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
「江刺しの稲」というものを見た。昨年の九月、石川県小松市の水田でのことだ。江刺しの「江」は小川あるいは水路のこと、そして「刺し」は文字通り稲を「刺す」田植えのことで、畦の外側にある用排水路に田植えされた稲のことである。それを見たのは一枚の区画が3a程の小さな水田だった。約1m幅ほどの水路に稲は二条に植えられており、畦側一条分に自分の稲を植えるのだそうだ。

かつて、水路に植えた稲は年貢や小作料の対象とはならず、取れた米は作った人のものになったのだという。どこの農村にもあったであろう「江刺しの稲」も、今や水路がコンクリートになり、またそんな手間のかかる作業をする人もいなくなり、いつの間にか目に触れることもなくなってしまったのだろう。
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Posted by 編集部 | 08:30 | この記事のURL | コメント(56) | トラックバック(0)