【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -
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「避けられぬ仕事」と「無駄な汗」
前月のこの欄で「不耕起」を取り上げたら、話題のヒントをいただいた茨城県牛久市の高松永さんから、
「省力、低コスト化のための不耕起だと言うなら、机上で考えるような見当違いの『省力-低コスト論』に惑わされてはだめですよ。経営にとって『避けられぬ仕事』と『無駄な汗』というものがあるんです。その区別のつかない『省力』は、結果的に損をする『省略』に過ぎなくなる。そもそも雪の降らない地域で、収穫後の耕うんというのは、手間不足を悩むほど日をせく仕事なのだろうか?『耕すこと』の損得勘定はその仕事をした後で考えれば分かることのはず」
と聞かされた。